今回は、私が部活について考えるようになったきっかけをお話しします。



・・・以前に、現在とは違う種目の部活の顧問をしていたときのことです。


私は新しい学校に赴任して1年目。右も左もわからず、毎日を忙しく過ごしていました。

そんな中、部活動の顧問担当を決めるときがきたのです。


私は未経験である、ある運動部の顧問に決まりました。

もう一人顧問はいるものの、メインの顧問に決まったのです。


4月半ばになり、部活が本格的に始まりました。

私は未経験の競技ということもあり、自腹で練習メニューの本を購入し、シューズを購入し、また審判のルールブックを取り寄せ、毎日毎日仕事が終わると競技について勉強しました。

部活が終わり、本来の業務を終え、夜遅くまで勉強を重ねました。


初めのうちは、子どもも一生懸命についてきました。

私が競技の初心者ということを知ってもなお、練習を一生懸命にしていました。

顧問になりたてで他校の顧問の知り合いもいない中、練習試合の申し込みの電話をしました。


土日になるといそいそと生徒と練習試合に出かけていきました。

休みが丸一日部活でつぶれていきました。

それが中学校教員の「普通」だと思っていたからです。


7月、初めての中総体を迎えました。これまでの練習の成果をだし、結果は出せませんでしたが生徒は一所懸命に試合をしました。


8月、3年生が引退して新体制が始まりました。


このころからです、部活動について疑問を持ち始めたのは。


夏休みの練習計画を立てて、生徒・保護者に手渡しました。

私は前々から旅行を予定していたので、お盆を挟んだお休みを1週間少し入れていたのです。

そしたら生徒や保護者から「もっと練習をやってくれ」との電話。

そして練習試合をどんどんしたい、とのこと。


この要望は拒否しましたが、違和感が残ったのを覚えています。


10月、学校行事や進路指導、校務分掌などが立て込み、自分の中で余裕が全くなくなりました。

当然平日の放課後は練習を見ることが厳しくなり、平日に練習を見に行くことが少なくなりました。

かろうじて土日の練習を見て、生徒の士気を保持している状態でした。


すると、保護者から電話がありました。

「うちの子供が部活の中で、他の部員から不遇な扱いをうけている」と。

私の目の届かないところで、生徒同士の諍いが起こっていたのです。

私は生徒を集めて指導し、きちんと話し合いました。今後の部活についても話をしました。


しかし、生徒間の気持ちの折り合いは変わりませんでした。

生徒の士気は下がっていくばかり。

練習中も返事をきちんとせず、また表情もすぐれませんでした。


12月、生徒の態度があまりにも悪いため、練習を中止にしました。

すると保護者から電話が鳴りました。なぜ練習を指導しないのか、とのこと。


保護者会を開いて説明をしました。生徒にも説明をしました。

しかし生徒とのぎこちない雰囲気はとれませんでした。

生徒は練習メニュー・練習量・練習試合の不足に不満を感じていたのです。


1月から3月の間は地獄でした。

士気の上がらない部活、それでもやらなければならない状況。

保護者の視線、生徒の表情、同僚の部活への姿勢、管理職の動き。

なんとかかんとか年度内を終えました。


4月、新しい先生方が学校に入ってきました。

私の部活には、その競技のスペシャリストとも言える先生が入ってきました。

当然、その先生と私が組むことになり、部活を見ることになりました。


新しい先生は今までの実績も十分、他校とのコネクションもばっちりでした。

練習メニューもバリエーション豊かで、生徒はその先生についていきました。

土日には必ず練習試合を入れ、遠方まで出て行く日々。当然私もついていきます。


そんな中で私は、自分の存在価値について考えるようになったのです。

「この状態で私は本当に必要なのか」と。


日々の練習、土日の練習試合、休みのないまま日々が移ろっていきました。

私はそんな中で、もう一人の先生に部活を任せっきりになっていきました。なぜなら、練習に私が行っても蚊帳の外だからです。

生徒は充実の表情を見せ、保護者も安堵の様子でした。

私も、それでいいと思うようになりました。投げやりな気持ちで、気持ちは宙ぶらりんのままでした。


7月、中総体を迎えました。

昨年度よりは良い成績を収め、3年生は引退しました。


引退したあと、3年生の生徒・保護者とのお疲れ様会がありました。いわゆる打ち上げです。

その席で、保護者はもう一人の先生にお礼を言いに来ます。

「先生が来てくれたおかげでチームが変わりました」

「先生のおかげで子ども達はいい思い出ができました」


私に聞こえるように言ってきたのは、気のせいでしょうか。


また、違う保護者は私のもとへ来て、こう言いました。

「先生は、少しはこの競技を好きになってくれましたか?」と。


私は、目の前が暗くなる思いがしました。今までの苦労はなんだったんだろうと思いました。

自分なりにやってきた苦労は、全くもって評価されないのだと感じました。



・・・私の体験は、きっと、かなり部活動の悪い側面を映し出した例だとは思います。

しかし必ずしも特殊な例ではないのではないでしょうか。


理解のある生徒・理解のある保護者の方々がいらっしゃることも分かっています。知っています。

けれども、私のした経験は未だに私の中でのトラウマです。


それから、私は部活動について、客観的に、俯瞰で考えるようになりました。

きっとこうなるに至った原因は、もっと根本にあるのだと。


そして今年度から私は新しい競技の部活の顧問をしています。

たくさんのモヤモヤを胸にかかえ、どうしたらいいのか解決策を模索しながら。



言葉足らずで自分の経験を100%伝えられないのが残念です。

ご意見・ご感想などいただけたら幸いです。



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