お久しぶりです。

2月は「逃げる月」とはよく言ったもので、早くも月末。

お元気でいらっしゃいますか。

私は定期テストを終え、これから早めに通知表の所見でもやろうかな、というところです。

なにごとも早めに、そして潤いのある生活をしたいものです。


まずは書籍の紹介を。

紹介するのは、大月書店から2月20日から発売されたばかりの『そろそろ、部活のこれからを話しませんか』です。

著者は中澤篤史さん。現在は早稲田大学の准教授でいらっしゃいます。

画像はコチラ ↓↓

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この本は、「なぜ部活は成立しているのか」や「いま部活はどうなっているのか」などの章から始まります。

そして「生徒の生命を守れるか」、「部活の未来をどうデザインするか」といった部活のこれからを考える内容になっています。


その中の「教師の生活を守れるか」の章で、私のブログが見開き1ページにもわたって取り上げられています。

次ページからは部活問題対策プロジェクトのことにも触れられ、部活問題の今日的な話題を網羅しています。


私はまだ自分に関するところしか読んでいないのですが(苦笑)、部活のこれからの展望を考えるうえで重要な書籍であることは間違いないと思います。

また部活顧問を拒否しようと考えている方にも、読んでおくことをおススメします。

中澤先生に感謝申し上げるとともに、これからもよろしくお願い申し上げるところです。


さて、部活に関する動向としては、「部活指導員」が制度化されることや、今度の学習指導要領に載る部活についての文章案が公開されたりと、あわただしくなってきました。


「部活指導員」については、これまではできなかった週末の引率も可能になるようにするなど、前進が見られます。

福井県や北九州市などで採用が見込まれ、今後も全国的に伸びていくといいと思います。

ただ、「部活指導員」を少し拡充したくらいでは現行の部活問題が解決するとは思いませんけれど。


また次期学習指導要領案について、部活動に関する記述として以下のものが書かれています。

引用は文科省ホームページから。


『教育課程外の学校教育活動と教育課程の関連が図られるように留意す るものとする。特に,生徒の自主的,自発的な参加により行われる部活 動については,スポーツや文化,科学等に親しませ,学習意欲の向上や 責任感,連帯感の涵養等,学校教育が目指す資質・能力の育成に資する ものであり,学校教育の一環として,教育課程との関連が図られるよう 留意すること。その際,学校や地域の実態に応じ,地域の人々の協力, 社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携などの運営上の 工夫を行い,持続可能な運営体制が整えられるようにするものとする。』


今までの記述に加え、大きく変わった部分としては『持続可能な運営体制が整えられるようにすること』の一文です。

現行の部活制度は教員が疲弊し、問題が多発しているものであることを鑑みると『持続可能な運営体制が整えられ』ているとはいえません。

そこから考えて、全員顧問制度が変わっていけばいいなあ……と思っています。

「変わっていけばいいなあ」といささか不安げなのは、『持続可能な運営体制』を広義に捉えられることです。

現場の声や時流を無視し、全員顧問制度を『持続可能な運営体制』と判断されれば、現在の制度が変わらないかもしれません。

「顧問をするかしないかは選択できるものとする」という一文があればいいのに、とは思いますが、大きな一歩と言えるでしょう。


部活問題が表面化し、ネットを中心にムーブメントとなっている昨今。

危惧していたのは、教員同士がネット上のヴァーチャルな繋がりに終始してしまい、結局は孤立してしまって部活顧問を甘んじて受け入れてしまわなければならない現状があったことです。

どうにかリアルな現場で繋がりたい、しかし実名を出したり顔出しをしたりするのは怖い……。

そんな現状を払拭すべく、部活問題対策プロジェクトが提案しているのは『レッドシールプロジェクト』です。

Twitter ではすでに拡散を始めているところです。画像はこちら ↓↓


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概要は部活問題について関心をもっている or 部活問題について語り合いたいと思っている意志を持っている教師は、職員室の自分の机に赤いシールを貼るというもの。

場所は右下。シールが貼れないほどに机上が散らかっている場合は、まず片づけてください(笑)。

このようにすることで、ヴァーチャルだった繋がりがリアルに近づきます。


全国の同業者の皆さま、小さな小さな一歩かもしれません。

ですが、問題意識をもっている教師は、実は同じ職員室にいるかもしれません。

方法はシールを貼るだけ、しかもこのプロジェクトを知らない人から見たらただのシール。

月曜からでもできる、この小さな一歩をまず踏み出してみませんか?


もうすぐ学年末。


異動対象、もしくは異動希望の先生方は、心が浮ついてくるころ。

そして新天地ではあらたに部活顧問就任の打診があることでしょう。

部活問題が盛り上がり始めた今年がチャンス。

書籍やレッドシール、そして自分の生き方・働き方を考えることで部活についての構えを作っておくことは大切だと思います。


部活顧問をしたい先生方は、十二分にお体に気をつけてください。

部活に励む生徒たちは、体や心がきつくなったら無理をしないでください。

部活顧問をしたくない先生は、簡単に部活をやると言わないでください。

部活をしたくない生徒は、堂々と部活をしない選択をしてください。


すべては自分の意思で選ぶことです。

誰かに決められることなく、自分の道を歩める学校であってほしいと願います。


Twitter でも悩み相談など受け付けております。どうぞ、お気軽に。


プレミアムフライデーが騒がれているようですが、学校現場はどこ吹く風。

勤務時間なんて関係ない、学校という名の堅固な城壁に、風穴を開けなければなりません。

そのための小さな綻びが、部活問題であると考えています。

大きなダムが決壊するのも、小さな穴があればこそ。

変えていくのは、これからです。

部活のこれからを、変えていきましょう。