今話題のドラマ、「リーガルハイ」。


ご覧になっていますか?

堺雅人演じる金第一主義の最強弁護士と、新垣結衣演じる正義感あふれる新米弁護士のコメディタッチの裁判ドラマです。

このドラマが好きで、毎回見ています。


立て板に水を流すようなセリフ回しやキャラクター設定もさることながら、特筆すべきはその内容。

隣人トラブルや整形手術など、さまざまなトラブルが起こるのですが、その裁判内容に深く考えさせられるのです。


そして、先日の第7話。

伊東四朗演じる天才アニメーション監督が、その制作スタッフたちを劣悪な労働環境に置き、酷使する。

その末に、スタッフの一人が蒸発してしまい、心的身体的な疲労を裁判で訴えるという内容でした。


ネタバレになるので内容の核心は伏せますが、話の最後で堺雅人演じる古美門弁護士は言うのです。

「一人の天才の崇高な業績のためであれば、周囲の人間の労働条件などは些末な問題であり、その偉業に尽くせるのであればそれが本望ではないでしょうか」

セリフは私の聞いた概要ですので悪しからず。


それを聞いて私は、確かに、とうなずいた。


偉大な仕事を成し遂げる天才や思想が核にあり、それを成し遂げるためのピースとして、そのための手足として、周りのスタッフを動かす。

たとえ劣悪な環境であっても、本人が偉業達成のためであれば、本人がそれを望んでいるのであれば、それも可とするのだと。


また、私は考えました。


中学校教員も、似て非なる労働環境だということ。


中学校教員は、「子どもを育てる」という崇高な理想のもと、業務に日々当たっている。

皆が皆、それを自覚し、教育公務員としての職務を全うする。


劣悪な労働環境であろうと、崇高な業務のためなら何とやら。

平日夜遅くでも、土日両方でも、朝早くからでも、いつでも仕事をしましょう。


なぜなら、すべては「生徒のため」


この「生徒のため」という紋所が出てしまうと、中学校教員は途端に弱くなる。

さながら水戸黄門に出会った悪代官のように「ハハー」と、勤務に従わざるを得なくなる。


ここまでは、リーガルハイの条件と似ています。


違うのは、「生徒のため」に部活動が純粋に良いことなのかを疑う余地があること。

リーガルハイの件では、アニメ制作プロダクションとして、「素晴らしいアニメーション作成」が目的なのです。

だから、ほかのことは余談でしかない。


ただし、中学校教員にはいろんな考えが存在していいと思う。


「部活動絶対論者」がいてもいいだろう。

一方で「部活動猜疑心教員」がいてもいい。

そして私のような「部活動全員顧問制度反対論者」がいてもいい。


だからこそ、この劣悪な労働環境を訴えていかなくてはならない。

リーガルハイのように、スタッフが蒸発してしまうその前に。

心の中に、疲労という名の澱がたまっていかないように。



先週土日が両方とも部活であり、今週末も土日両方とも部活です。

まさに切れ目ない勤務が続きます。

今週日曜日は、なんとかして一日フルで休む所存。


潤沢な金さえあれば、古美門弁護士を雇って、部活動制度の矛盾を法廷で争うのに。

などと、過激なことを考えてしまう疲れた筆者でございました。


敬具。