師走も中盤を迎え、寒さ厳しくなる今日この頃。いかがお過ごしでしょうか。

合唱祭、定期考査、成績業務などなど、諸々の日々の業務に追われておりました。

前回の記事へのコメントが2000を超え、驚くばかりです。感謝しかありません。

まだまだ部活問題への注目度は下がっていないのだと、一安心しました。

2か月ほどブログを更新しておりませんでした。申し訳ありません。


部活から離れてしまうと、部活のことは意外と気にならないものです(笑)

それどころか、部活について考えるのも嫌になってしまいます。

だからブログの更新も、疎かになっておりました。言い訳をお許しください。


一点、コメントへの返信を致します。

「当ブログはアフィリエイト(広告)によって利益を受け取っている」という批判です。

当ブログはそういうことは一切ありませんし、もとよりそういったハイテクな方法など知りもしません。

見当はずれで失礼なコメントは、今後やめていただきたく思います。

こちら相当に憤慨しております。


さて、今回は「教師になるつもりだったのならば、部活があることを知っていたのではないか」というご指摘に触れようと思います。

かくいう私も、学生時代はあるスポーツに打ち込む、ごく普通の部活生でした。

それこそ盆正月以外はすべて部活、のような激しい運動部に所属していました。

何の疑いもなく部活に打ち込み、青春はこの形しかあり得ないと思っていたクチです。


そんな私が教師になり、部活の是非を問うと、すぐにこう言われます。

「部活があることを知っていたんだろ。それが嫌なら教師を辞めればいい」

うんざりするほどに、本当にこのコメントは多いです。


ではまず、教員採用試験における部活のリアルをお知らせしたいと思います。


教員採用試験は、各地方自治体によって行われます。

大きく分けて一次試験・二次試験まで行わます。それ以上の自治体もあるようです。


一次試験では主に一般教養・教職教養・専門教科のペーパーテストが行われます。

二次試験では、一次試験の通過者を対象にして面接や実技、専門教科を中心に行われます。

詳しくは各地方自治体の教員採用試験のホームページをご覧になってください。


一次試験では、部活についてのことなど一切聞かれることはありません。

これまでの勉強の量・質が問われる筆記試験です。

二次試験においても、部活についての問題や質問は全くありません。

そして面接においても部活動について問われることはありません。

面接官が

「どんな部活を指導できますか?」
「土日も部活を指導するやる気はありますか?」
「部活に対する考えをお聞かせください」

などといった質問をすることはありません。
(地方自治体によって差異はあると思いますが)


では、どこで受験者に対して部活についての質問がなされるのか。

それは教員採用試験の合否発表後のことになるのです。


めでたく合格が決まった後、記念すべき初任校が決まります。

初任校から事前の打ち合わせの電話 or 初任校にあいさつに行く日にそれは行われます。

校長・教頭といった管理職から

「先生、何の部活もちたい?」
「先生、サッカー部とか、どう?」
「先生、学生のときの部活は何をやってた?専門って何?(もちろん部活の専門という意味)」

などと聞かれるのです。


こうして1年目の教師の部活動はスタートします。

大学の講義でも部活について学んだことなどない。

教員採用試験でも、1分たりとも部活について勉強したことなどない。

実際の試験でも、1問たりとも部活についての出題などない。


だけれど、実際の学校現場に来て、まず出される質問は

「部活、どうする?」

なのです。

今まで大学や大学院で一所懸命に学んできた「専門」の教科指導や生徒指導の技術はさておき、まずは部活なのです。

しかも採用試験や勤務の際の項目には一切部活の文言はないのです。

それにも関わらず、学校現場には部活が当たり前の顔をして居座っているのです。


それでも私に反対する人は言うでしょう。

「それは教育の業界をきちんと研究していなかったからだ」
「先輩の教師に聞いていれば分かること」
「自分が学生の頃のことを思い出したら、誰にだって分かるはず」

などなど。


確かに、そういった一面はあるかもしれません。

しかし、勤務の際の項目に入っていない部活動が

「教師全員が顧問を必ずしなければならない」
「保護者の目を気にしながら土日の予定も立てなければならない」
「現場には部活を断れる雰囲気は微塵もなく、また改善の風潮さえない」

などその全てを知り得ることは難しいのではないでしょうか。


言わば、「後出しジャンケン」なのです。

採用試験の際に、上記のようなリアルな部活の姿はあえて言わないのです。

なぜならそれが勤務の条件になってしまうから。

だから、教師として採用された後に、なるべくさりげない形で、「ボランティアの顔」をしてそっと義務づけるのです。

そして、いつの間にやら飼いならされている。


学生の際にもった
「こんな授業を展開したい」・「こんな学級を経営したい」

といった当初の願いは次第に薄れ、否応なく部活動中心の生活が始まってしまいます。


平日の放課後、土日、休日。徐々に時間に余裕がなくなってくる。

部活は生徒や保護者の目があるから時間的に削ることはできない。

それならば、何を削ろう。そうだ、授業準備の時間だ。

直前にちょっとやればどうにかなるだろう。大丈夫、誰も気づきはしない。


そうなってくるのではないでしょうか。

これは何も大袈裟な話ではなく、学校現場あるあるといっていいと思います。

徐々に、本来一番大切なはずの授業への取り組みがなあなあになり、日々を自転車操業で乗り切ろうとしてしまうのです。

教育委員会や管理職の、腹黒い一面が見え隠れするのがお分かりでしょうか。


「そういうことは一般企業では行われている」
「自分の会社では、そういうことは日常茶飯事だ」
「こんなんだから教師は世間知らずなんだ。甘すぎる」

こんな反対コメントが予想されますが、もうそんな低レベルなやりとりは辞めませんか?


勤労について、苦労自慢をする時代は終わったんです。

労働について、我慢比べをする時代は終わったんです。

「自分の労働環境のほうが恵まれていない」とお互いに足を引っ張ることは、なんのプラスにもなりません。

ですから、それぞれの環境で是正を訴えていけばいいだけの話です。


これから冬休みに入り、教師の方々もしばしの休息に入ります。

部活について、一考していただくにはうってつけの機会です。

私は頑張ってブログも更新しますし、新しい取り組みも考えています。


来年度の部活の顧問をどうするかお悩みの教師の方。

また部活について悩んでいる生徒のみなさん。

そして我が子の部活について思案を重ねている保護者の皆さん。

部活動問題が表面化するのは、近い未来です。

どうか、この流れを大きなものにさせてください。


たくさんのコメントをお待ちしています。


気力を振り絞って、早めに更新します。

応援のコメントもあれば、少し元気になります(笑)


風邪などひかれませんよう、ご自愛ください。