あけましておめでとうございます。

お久しぶりです。

いつの間にやら、3か月ぶりの更新となりました。


実を言うと3年生の担任でありまして、大忙しゆえにブログ更新が遅くなったと言い訳させてください(笑)

いやあ、もう卒業生を担当するのも数度目になるのですが、やっぱり忙しさもピークを迎えると大変です。

地域にもよるとは思いますが、調査書(内申書)や推薦書、はたまた成績の処理まで仕事の種類は枚挙にいとまがありません。

過去の蓄積したデータをもとにスピーディーに仕事を進めていますが、勤務時間キッカリとはいかず。

口惜しい日々が続いています。

なので、せめて早めに帰ることと、絶対に土日祝日には学校に行かないことを胸に誓って日々を過ごしています。

「まあ土日学校に行って仕事するからいいか~」という3年担任あるあるは、私にとって禁句です。


部活についての動向を少し。

わたしも名を連ねている現職審議会は、中央教育審議会(中教審)が中間まとめ案を発表したことを受けて、12月4日、部活について「教員の本来業務ではない」と明記することなどを求める提言を行いました。

私は直接的に関わっているわけではありませんが、中教審の中間まとめ案に提言をするという画期的な試みだったと思います。

画像はこちら ↓↓

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これがどういう結果につながるかはまだ分かりませんが、動向を見守りたいと思います。

現職審議会のメンバーの方々、いつもお疲れ様です。ありがとうございます。


今回は特に給特法がキモになってくると思います。ご存知、超勤4項目も。

その点に関しては論点が分かれるところかもしれません。どうなるか……。

詳しくは教働コラムズのサイト( https://www.kyodo-bukatsu.net/ )を参照されてください。


今回の記事は、受験生にとっての部活とは?です。

現在、進路指導を進めている私にとって、また違う角度から部活を考える機会になっています。


進路決定に多かれ少なかれ関わってくるであろう部活動。

生徒が一所懸命に積み重ねた部活の日々が、高校側から評価されることは素晴らしいことかもしれません。

ほとんどの生徒は学習にしっかり取り組みますし、また部活をしていたとしても文武両道で学習を怠らない生徒が多いです。

ただ、どうしても腑に落ちないのは、授業態度もよくなく、学習における提出物も出さず、一方で部活の実績は残した生徒の例です。

こういう例は多くはありません。しかし、学年である程度の数はいるものです。


よくあるケースは、私立から特待の話が来て、さっさと進路が決まってしまう。

担任としては進路先の確保ができて嬉しい反面、「本当にこれでいいのか?」と首を傾げてしまいます。


前述したように、部活やクラブチームで頑張ったことは素晴らしいかもしれない。

ただ、受験という公正な場におけるアイテムとしては、幅を利かせすぎていないかと思うのです。


中学校は、そして高校は何をする場所なのか。

『学び舎』という言葉が示す如く、学校は学習をする場だと思うのです。

学校生活において部活も大切かもしれませんが、その占めるパーセンテージがおかしい生徒が少なからずいるのです。


高校側だって、やれ甲子園だ、やれ花園だ、やれマーチングだと、学校の広告塔として使っている節は大いにあります。

それだって本当は是正されていかなくてはなりません。

ただ、すでに日本の文化や伝統と刷り込まれている節があるのが、なかなかに厳しいところですが……。


いつから学校における学習と部活のバランスはおかしくなってしまったのかと考えてしまうのです。

部活はあくまでオプションだったのではないかと。

部活はあくまで放課後の同好会的なものだったのではないかと。


それがいつの間にか、生徒によっては学校生活において学習をはるかに凌駕する重要なものになってしまっている。

そしてそれを熱心な教師や保護者や地域は止めることもせず、逆に助長している。


基本的に受験におけるメインコンテンツは、学力です。

学力があれば、そしてしっかりとした学校生活の姿があれば、受験に合格することができます。

だからまずはそこを見ていただいて、その過程が終わった後に部活をチェックするくらいでないといけないのではないかと思います。

高校においても、スポーツ科のある学校やほとんど部活しかしてないんじゃないかと思われる学校の実態もありますし、もっと明らかにならないといけません。

いくらかそういうケースを知っています。

詳しくスポットライトを当てられたら、驚きの実態が明るみになると思います。


今後は、部活の棲み分けが必要になってくる時代だと思います。

学校現場は、人員の不足や業務過多によって、部活指導が実質できる状態ではありません。

「部活指導ができているじゃないか」と指摘される方もいるかもしれませんが、現実の部活指導はほとんどが勤務時間外です。

ですから、本来の意味では部活指導の現状は破綻しているのと同じです。


単刀直入に言えば、学校から部活を切り離してしまえばいいのです。

なにも部活指導を学校の教員が顧問として指導する必要は無いわけですから。

カリキュラム外ですし、正式な職務ではありませんから。


今も野球やサッカーのクラブチームがあるように、部活を地域やクラブチームに委ねていけばいいのです。

そうすれば教員の負担は減り、なおかつ受験における判断材料としての部活も公正になる。

学校は部活以外の面をしっかりと把握しておき、そこにオプショナルなものとしての部活が加わればいいのです。

部活は学校という閉鎖的な空間から解放され、新たな局面を迎えることができると思います。


部活の現在は、汽水域のようなものではないかと思います。

汽水域とは、周知のように、海水と淡水が混ざり合っている水域のことです。

学校の先生は海水と淡水、つまり学習指導と部活指導がごちゃ混ぜになっている仕事を強いられています。

だから、「学習指導を本格的に行いたい教員」と、「ぶっちゃけ授業はそこそこに、部活指導だけをバリバリやりたい教員」が混在しているのではないでしょうか。

部活を学校から切り離してしまえば、「部活指導をバリバリやりたい教員」も、放課後にクラブチームで指導を行えるわけです。

そしてそこでは正当な対価が支払われ、生徒も専門家による質の高い指導が受けられるというわけです。


一気にまくし立ててすみません。意見としてまとまっていないことも自覚しています。

もちろん賛否両論あって構いません。いち担任の戯言と流していただいても構いません。


給特法だ、超勤4項目だと論議するのも大切です。

ですが、本来は肥大化した部活を学校外に移管するのが本来の筋ではないでしょうか。

そして次に軸になるのは、部活の顧問拒否です。

私のように、定義さえ曖昧な部活指導を自らの意志で顧問拒否することは、基本的な権利を行使しているに過ぎません。


部活が外部に移管されること、そして給特法が改正されていくこと、そういった抜本的な改革を待つ身だけでは、教員人生が終わってしまいます。

全体の改革を信じながら、まずは個人レベルでの革命を。

そのために顧問拒否する必要があると信じます。

自らの人権を守るためにも。家庭の平和を保つためにも。


顧問拒否は、暴力を伴わない正当なクーデターです。

数年前に私がブログを立ち上げた当初は、顧問拒否という概念すらありませんでした。

現場の教員が、顧問拒否しやすい環境が徐々に整ってきています。


部活指導を行いたい教員の方は、どうぞ無理のない範囲で励まれてください。

家庭や自分の時間を大切にしたい、そういう思いで部活に違和感を抱いている方は行動してください。


紅白歌合戦にも出場したアイドルグループ・欅坂46の楽曲に『サイレントマジョリティー』があります。

その一節に「どこかの国の大統領が言っていた 声を上げない者たちは賛成していると…」があります。

どこかの国の総理大臣は、どこかの国の文部科学大臣は「声を上げない者たちは賛成している」と曲解しているのです。

このまま従順な教員集団は、声を上げないままにそれぞれ定年まで過ごしていくのだと楽観視しているのです。


私には、無理です。黙っているのは、無理です。

勤務時間外のプライベートを割いてまで部活指導をする気概はありませんし、スポーツや文化活動を指導する才能もありません。

私にあるのは、面白い授業をする才能だけです。

まだまだその精度を高めるための努力も怠らない所存です。


この文章を読んで、なにか思われる部分があったら嬉しく思います。

批判があっても構いません。

何事も、最初の一歩は抵抗が大きいものですから。


次回は、私の身の回りの教員生活事情について書きたいと思います。

来春から教員になる大学生の方、社会人から転職される方。

様々な情報が溢れる時代です。どうか振り回されないようにしてくださいね。

強く、そしてしなやかな自分の芯を育てていきたいものです。

それでは、近いうちに。