あっという間に月日は過ぎ去り、2月。

光陰矢の如し、どころかロケットのようなスピードで時間は経過していきます。


高校入試の時期になりました。

毎年なぜか入試の時期になると寒くなる気がします。

入試の朝、教師は凍えながら高校の正門で生徒を待ち受け、緊張した面持ちの生徒と出会い、励ましてから別れます。


ここまできたら教師としてできることは何もありません。


胸の内で応援しながら、ただ待ちます。

願わくば、生徒一人ひとりの受験の結果が、悔いのないものであることを。


今回の記事はTwitterでアンケートをした結果、応募の多かったものにしようと思います。


それは『春に向けて顧問拒否の方法』です。


こういった類の記事は、今までにも書いてはいます。


詳しくは『部活顧問拒否の実践的方法論』というタイトルの記事を参照されてください。

リンクはこちら↓↓

http://bukatsu1234.blog.jp/archives/49372336.html



また私の他にも部活問題についてブログやTwitterをされている方がいらっしゃいますし、そちらの方が法律的な指摘は詳しいと思います。


ですから、今回はあえて細かい部分には触れず、3ステップで実効性の高い顧問拒否の方法について書きたいと思います。


以前の私のように、新年度の職員会議で挙手をし、全員顧問制度自体の是非を問うのもよいかもしれませんが、どうやらシステムは一朝一夕には変わらないようです。


であるならば、個人から動ける範囲で活動していった方が結果的には改革への近道になるのかもしれません。


なお確認しておきますが、私個人として部活の意義自体を否定するものではありませんし、部活指導に熱心に励む先生方を攻撃するものでもありません。


あくまでこのブログのタイトルのように「公立中学校 部活の顧問制度が違法」だと主張するだけです。



ステップ1

自分が所属する自治体の教育委員会に電話をし、部活が正式な職務かどうか確かめる。
私の所属する自治体では、部活は職務ではありません。
匿名でも電話することができます。もちろん非通知でも。

ちなみに私は以前、文部科学省にも電話確認を行いました(詳しくは過去の記事を参照)。



ステップ2

3月末に配られる部活顧問希望表の欄に「部活顧問はお引き受けいたしません」と書く。

その際に理由(職務ではないこと・家庭の事情など)を書くとさらにいいでしょう。
ここで「副顧問ならいいや」や「この文化部なら……」など妥協するのも一案です。
ですが、個人的には顧問拒否の方が教師全体の将来につながっていくと思います。



ステップ3

(たぶん、いやほぼ絶対)校長から呼び出しがあり、部活顧問就任への打診がある。
言われるフレーズは大体「子どもたちのためにさあ、先生も全員で顧問しようよ」です。

その際にステップ1で確認した情報をもとに、凛とした姿勢で顧問を拒否する。
「子どもたちのために」というキラーフレーズに負けてはいけません。


以上です。

本番に臨む前に、入念なシミュレーションが必須です。

必要であれば、個人的に相談にのります。



本当は学習指導要領や超勤4項目などを述べてもいいのですが、割愛したとしても十分に顧問拒否は可能です。


何度も何度も申し上げているように、部活顧問は正式な職務ではないのですから。


もし部活顧問が正式な職務だとしたら、もう3年にも渡って部活顧問をしていない私が何の処分も受けていないのは不自然だと思いませんか?



また部活顧問を拒否することに強い抵抗感を示す方々の頭の中に、東京都の部活への考え方があると思います。


(そもそも、東京都以外の地域ではそういう記述すらないのだから、本来は気にする必要などないのですが)



『東京都都立学校の管理運営に関する規則』より抜粋


第12条の12 学校は、教育活動の一環として部活動を設置及び運営するものとしている。

2 校長は、所属職員(事務職員等を除く)に部活動の指導業務を校務として分掌させることができる。

3 校長は、所属職員(事務職員等を除く)以外の者に部活動の指導業務を委嘱することができる。

4 学校は、部活動が当該学校の施設で活動できない場合に、当該学校以外の施設を活動の拠点とすることができる。



この部分をもとに「ほら東京都は部活を教員の仕事だと明示しているじゃないか。顧問拒否をしているお前は教師失格なんだ」という類の意見を言う方は結構いらっしゃいます。


まず「校長は、所属職員に部活動の指導業務を校務として分掌させることができる」と書いてはあるものの、当然ですが勤務時間外まで部活指導を強制できるものではありません。


また、勤務時間内に行える部活など、できて30分間弱くらいものではないでしょうか。


勤務時間外を前提に組み立てられている部活指導は、職務としての体をなさないのです。



であるからして、前述の本文は「校長は所属職員に部活顧問をさせるのであれば、その指導業務を校務分掌としてさせることができる。ただし、勤務時間外は除く」と言い換えるのが正しいのではないでしょうか。


「部活顧問を引き受けると、絶対的に勤務時間外労働が付属してくる。それなら私は部活顧問になることを拒否します or 部活動の業務は勤務時間しかしません。ですから実質部活の顧問はできません」でいいと考えられます。


異論はあるとは思います。

私には東京都の考えが、十二分に分かっていない部分もあるでしょうから。


日本全国津々浦々、様々な自治体があり、状況は千差万別でしょう。

教師の全員顧問制度は全国共通のようですが、生徒の全員加入制度については地域差がとても大きいです。

生徒の部活が全員加入制度だと部活生の数も多く、必然的に顧問も相当数必要になる。

だから全員顧問制度につながってくるのかもしれない、などと邪推しています。


冬の寒さもピークを迎え、これからが部活顧問を巡る最も大切な時期になります。

異動もあり、職員構成のこともあり、そしてなにより、新年度へ向けての部活顧問の話し合いがある。

そこをうまく乗り越えられれば、当たり前の人間らしい働き方ができると信じています。


私に教師としてのポリシーはそう多くはありませんが、譲れないものの一つに『絶対に、土日祝日に学校へ行かない』というものがあります。

かれこれ約3年は土日祝日に学校に行っていません。


現在は3年生を担当しており、進路の書類など学校でしか行えない作業も多々あります。

だから3年生の担当の先生方は、土日祝日に学校に出ていって作業をすることが多いです。

私は、そこも、学校に、行かない。

自分で創意工夫して時間を捻出し、全てを終わらせる。


勤務時間内で終わらない仕事は、教師が自発的に勤務時間外や土日にやるという変な文化があります。

そういった、『学校のおかしな当たり前』を変えていきたいと思っています。


長いこと教師をやっていると、卒業生が学校に遊びに来ることがたまにあります。

高校の部活帰りに来ることが多く、土日に職員室を訪ねてくるケースが多いです。

ですが、当然私は学校におらず、その日は会えません。

後日、平日に会った際にその生徒が「土日に先生に会えないのも、先生らしいですよね」と笑顔で言ってくれました。


その生徒は、私が家庭と仕事の両立、また自分の時間を大切にしたいことを十分に知っているのです(授業でそういった話もしてきました)。


「寒い冬には根を張って、春には大きな花を咲かす」と先人は言ったものです。

部活問題に悩む教師にも、同じことが言えるようです。


すなわち、新年度を迎えるこの冬の時期に、部活問題に関する知識を集めておく。

しっかりと準備をしたうえで行動を起こせば、春には望む結果が出てくる、と。


数年前に部活顧問を拒否した際、多くの同業者から驚かれました。

「え!部活顧問って拒否できるの?仕事じゃないの?」などなど。

正しい行動をすれば正しい結果が返ってきます。


今、部活問題に直面していらっしゃる教師の方々。

恐縮ですが、私や他のプロジェクトメンバーのように、部活顧問拒否における先人は多く存在します。

もう目の前に道はあるのです。

そして、今は細いかもしれないその道は、ヴァーチャルではなくリアルなフォロワーが多く通っていくことで、その広さを増していきます。

近い将来、教員が部活の顧問をする or しないという選択ができるようになるか否かは、そういった方々の勇気ある一歩にかかっています。


個別で相談されたい方はTwitterのDMまでどうぞ。

Twitterをされていない方も、これを機に始めてみてはいかがでしょうか。

ちなみに私は、フォローしていただいたら、もちろんフォローいたします。

ブログのコメント欄にも、ご意見・ご感想、どうぞお聞かせください。