ご無沙汰しています。


部活問題から離れ、なかなか部活に関して発信することができずにおりました。

部活に悩んでいた日々を思い返すと、今でも胃がキリキリ痛むものです。

私の場合は紆余曲折を経て部活顧問を担当しなくなりました。

「担当しなくなりました」というか、自ら「担当をしないことを申し出た」のですが。


自ら望んで部活顧問をしている教員ならいざ知らず、内心イヤイヤやっている周囲の教員には「なぜ部活顧問をしないことを申し出ないのか」という疑問が浮かびます。

「場の空気が・・・・・・」、「なんか嫌われそうな気がして・・・・・・」という職場の人間関係を軸とした理由が多いと推察されますが、その段階で悩んでいても永久に解決しません。

辛辣な言い方をすれば「腹が据わっていない」のです。

方法論は過去の記事に書きました。あとは動くだけ、そう思うのですが。


閑話休題。


今回久々にブログを更新しようと思ったのは、あるニュースを見たからです。

以下に引用したいと思います。



★★★★★★★ ここから引用 ★★★★★★★  西日本新聞 2020年1月8日より


新任の学校教諭が1年もたたずに依願退職するケースが増えている。文部科学省の調査によると、全国で2018年度に採用された公立小中高校、特別支援学校の教諭のうち431人が1年以内に依願退職。前年度比73人増となり、1999年度以降で最多だった。理由は自己都合が299人で最も多く、病気を理由とした111人のうち104人が精神疾患を挙げた。教育現場の長時間労働が指摘される中、新任教諭の負担感は強いとみられ、識者は支援の必要性を訴えている

 教諭は教育公務員特例法に基づき、採用後1年間の“試用期間”を経て正式採用となる。

 調査によると、全国の依願退職者の増加は3年連続。九州7県と3政令市では計70人が依願退職した。福岡県が依願退職者が最も多く31人、福岡市21人と続いた。全採用者数に占める割合は0~3%台で、最多は福岡市の3・27%だった。

 同市では、15年度はゼロだった依願退職者が16年度2人、17年度13人と増加傾向にある。18年度21人のうち、精神疾患を理由にしたのは6人だった。

★★★★★★★ 以上、引用おわり ★★★★★★★


驚愕の、そして戦慄のニュースだと思いませんか?

大切な点は3つ。

①2018年度に採用された
新任教諭のうち、431人が1年以内に退職していること。
②そしてそれが1999年以降で最多であること。
③病気を理由とした111人のうち、104人が精神疾患に該当していること

①に関しては、仮に1年365日で1日に一人ずつ辞めたとしても間に合わないペースで新任教諭が退職していることになります。

②は、20年間の調査統計のうち、昨年度は最も新任教諭が辞めた一年間であることを意味しています。

③は、辞めた理由の病気のうち、約94%が精神疾患、メンタルの病ということです。

というか、299人の「自己都合」って何なんでしょうか。

ひどすぎる教員の現場に見切りをつけ、自らの判断で辞めたということなんでしょうか。


記事にもありますように、「識者は支援の必要性を訴えている」のです。

ただ、「識者」の訴えを簡単に聞く国や文科省ではありません。

何十年も放置され続けている教員の労働問題に関し、今後ものらりくらりとかわそうとしています。


先に述べた431人の無念を思うと、胸が痛みます。

もしかしたら、幼少のころから教員が憧れの職業だったのかもしれない。

もしかしたら、学生時代に出会った素晴らしい恩師の影響で教員を志したのかもしれない。

もしかしたら、努力に努力を重ねて、苦労の末にやっと教諭になれたのかもしれない。

まさか、新任教諭として赴任した自分が、1年も経たずして辞めてしまうとは思ってもいなかったでしょう。

だからこそ、今こそ、部活問題を解決すべきなのです。

「識者」の声が国や文科省に届くのを待つのではなく、奇跡的に抜本的改革が起こるのを期待するのではなく、自ら動きだせる働き方改革の第一歩、それが部活問題の解決です。


今は1月の終わり。部活問題が活発になるのは、当然4月。新年度のスタートです。

今のうちに部活問題に関して知見を広げ、そしてイメージトレーニングをするのです。

詳しい方法は過去の記事を参照ください。またTwitterのDMでも構いません。場合によっては電話にも対応します。


私は授業がしたくて教員になりました。楽しい授業を、分かりやすい授業を、効果的な授業をするために。

だから、部活顧問を強いられ、プライベートの時間を削られ、十分な授業準備ができない日々が苦痛でした。

431人の退職した新任教諭の中にも「私は本当は授業を大切にしたいのに……部活なんてしたくないのに……」と志半ばで辞めた人もいたでしょう。

そして今なお、望まない部活顧問を強制され、それによって本来大切にするべきはずの授業やその他のことを切り捨てねばならない教員も少なくないはずです。

私の勤務校にも、部活顧問問題に悩んでいる若手教員がいます。

授業の準備、学級経営、生徒指導、研修。なりたての教員として最優先にすべきことはたくさんあります。

そしてそれは部活の顧問なんかではない。決してそんなことはない。

自ら望んで部活顧問をする教員はまだいい。望まない部活顧問はもうやめにしていただきたい。


突然の更新、そして乱文をお許しください。

1月末の今だからこそ、伝えたいことを書きました。


部活問題解決の糸口は、個人レベルで動き出すことです。

春になったら、同志の悩みが解決していることを願います。

堅く閉ざされた雪の壁が溶け、小川となって流れ出すように、部活問題が氷解することを祈ります。

ただし、待っていてはだめです。氷は「とける」のではありません。氷は「とかす」ものです。

部活問題解決の風潮をどんどんと高めていきましょう。

細々と流れる小川も、互いに寄り添い一本の大河となれば、なにものも飲み込む力を得るでしょうから。